どうも、みなさんこんにちは、よしです。
この記事では、ハードウェアの代表格である「メモリ」と「ストレージ」の違いや特徴について解説します。
「メモリ8GB/ストレージ256GB、は何が違うのか?」、
「揮発性とは?」、
「メモリを増設するとパソコンはなぜ速くなるの?」、
などの疑問について、もわかりやすく説明します。
ほな、いきましょう!
よし
Contents
新聞に掲載されてしまった誤り
こちらは、とある新聞に記載されていた、ゲーム機のPlaystation4とWii Uのスペック比較表です。実は、この表には誤りがあることがSNSで話題になりました。
さて皆さんは、この表のどこが間違っているのか、お分かりになりますでしょうか?
正解は、Wii Uのメモリの欄に記載されている「32ギガバイト/8ギガバイト」という記載です。
一体、これの何が誤っているのかというと、ストレージの容量がメモリの容量として記載されてしまっている点です。
「メモリ」と「ストレージ」は異なるハードウェアです。にもかかわらず、それが同じであるかのように扱われてしまっています。
では、何故、新聞という影響力ある媒体に、間違った情報が記載されてしまったのでしょうか?おそらく、メモリとストレージはどちらも記憶装置であって、その機能が似通っているため、混同されたんじゃないかな、と思います。
しかし、同じ記憶装置であっても、用途は全く異なります。このメモリとストレージの違いについて、明らかにしていきたいと思います。
メモリ・ストレージとは?
ストレージとは?
「ストレージ」とは、データを永続的に記憶する装置の総称です。例えば、写真や音楽、インストールしたアプリ自体などを保存するのに使用されます。
これはわりと想像付きやすいのではないでしょうか。何故なら、スマホやパソコンなどの製品を購入する際に、ストレージの容量をどれくらいにするか選んで購入されているはずだからです。
例えば、iPhone11の商品ページを見てみると、容量と記載されている箇所があります。これが、この機種に搭載されるストレージの容量を示している部分です。64GB、128GB、256GBの三種類のストレージ容量が用意されていることが確認できます。
ストレージの容量が大きい程、沢山のデータを記憶することができます。ですので、この中では256GBのストレージが一番沢山の写真や音楽データを記憶できるということになります。もちろん、その分値段は高くなります。
ストレージの種類
ストレージとして実際に使用されているハードウェアには、次のようなものがあります。
「HDD:Hard Disk Drive(ハードディスクドライブ)」は、「ディスク(プラッタ)」と呼ばれる磁気情報を記録する円盤に、「ヘッド」と呼ばれる装置を使ってデータを書き込みます。
データを読み書きするために、ディスクを回転させたり、ヘッドを物理的に移動させたりする必要があるため、後述のSSDに比べて読み書き速度が遅いのが特徴です。
また、ディスクとヘッドが接触してしまうと、ディスクが破損しデータが消失してしまう可能性があります。そのため、スマホやノートパソコンなど、持ち運びによって衝撃の加わる可能性が高い製品にはあまり使用されないようになってきています。
一方、「SSD:Solid State Drive」は半導体と呼ばれる素子を使ってデータを記憶します。HDDのヘッドのような物理的な駆動部分がないため、HDDに比べて書き込み速度が速く、衝撃耐性にも優れています。
また、HDDに比べてサイズが小さく省電力であるため、最近ではスマホやノートパソコンに多く採用されています。その分、値段が高いのが特徴です。
HDDやSSDは、スマホやノートパソコンに内蔵されており、基本的には取り外しができませんが、「SDカード」などの取り外しや持ち運びが可能なストレージも存在します。
よし
クラウドストレージは、スマートフォンに保存したデータがインターネットを介してノートパソコンなど他のデバイスに同期される、非常に使い勝手のよいストレージです。物理的なストレージを管理する必要がないため、データ紛失のリスクも低減できます。
揮発性・不揮発性とは?
メモリとストレージには、その違いを理解する上で重要となる特性があります。それは、「揮発性」と「不揮発性」です。
「揮発」とは、一般的には、液体が蒸発して気体になることを指します。ITの世界では、データが蒸発する、すなわち、データが消えて無くなってしまうことを指します。
また、その逆の「不揮発」とは、データが消えないということを意味します。これはパソコンやスマホの電源を切っても、データが消えることなく保存され続けるということです。
ストレージはデータを永続的に記憶することができる、つまり、ストレージは不揮発性の記憶装置です。
ここまで聞いて、「あれ、そんなの当たり前やん?」って思われたかもしれません。だって、スマホの電源をOFFにしただけで写真のデータが消えてしまうんだとすると、それは使いものにならないからです。
では何故あえてこの点を強調したかというと、その逆の揮発、つまり電源を切るとデータが消えてしまう記憶装置もあるからです。それが次に説明するメモリです。
メモリとは?
「メモリ」とは、データを一時的に記憶する装置です。ストレージと異なり、パソコンやスマホの電源を切ると、記憶したデータも消滅してしまいます。つまり、メモリは揮発性の記憶装置です。
「そもそも、一時的な記憶でよくて、永続的に記憶しなくてよいデータなんてあるの?」と、疑問に思われるかもしれません。ですので、一時記憶について、例を挙げて考えてみたいと思います。
メモリはいつ使用される?
メモリの使用例 その1
インターネットで調べごとをするときの光景を考えてみましょう。
検索ページで調べたい用語を入れて検索し、表示された候補の一覧から、閲覧したいページへのリンクをクリックして目的のページを表示させるかと思います。でも、そのページの内容が自分の求めているものと違っていた場合は、一度、検索結果のページに戻って、次の候補のページを開くといったことをするでしょう。
この単純に見える動作を実現させるには、インターネット閲覧アプリであるブラウザはユーザが開いたページの軌跡を全て記憶しておく必要があります。タブを複数開いて検索した場合も同様です。別のタブに飛んで、また元のタブに戻ってこれるのは、アプリが元のタブの情報を記憶しているからです。
しかし、考えてみてください。これらの情報は、永続的に残しておく必要性は低いでしょう。そのため、このユーザが辿った軌跡は、メモリに記憶しておけばよいということになります。
ところで、閲覧したページが気に入った場合はそのページをブックマークすることがあるかと思います。では、このブックマークという情報はどちらに保存すべきでしょうか?
ユーザが今後もそのページを見れるようにURLを保存するわけですから、これは永続的に保存しておく必要があります。そのためこの情報はメモリではなくストレージに保存されます。
メモリの使用例 その2
別の例として、テキストエディタで文書を作成する場合を考えてみましょう。
タイピングをして文字を入力しています。でもやっぱり文章を変えたいと思って、Deleteキーで入力した文章を削除します。そして、新しい文書を書き始めるわけなのですが、やっぱり前の文書の方がよかったと思って、「戻る」という操作で元の文書を復元します。
手書きだと「文書を消した」という行為自体を取り消すことはできないのですが、パソコンだと簡単に取り消せます。それは何故でしょうか?
これは、文字の入力や削除といった操作のログを、テキストエディタというソフトが記憶しているからです。勘の良い方ならお分かりかと思いますが、これらの情報はメモリに記憶されます。なぜなら、そのログを永続的に残す必要はないからです。
一方で、そこで作成された文書は「保存」という操作でパソコン内に保存することができますが、こちらは永続的に記憶する必要があるため、ストレージに記憶されます。
ここまでの説明で、メモリとストレージがどのように使い分けられているのかお分かりになったのではないでしょうか。ここに挙げた例はほんの一部であって、他にもソフトを動かすのに必要な沢山の情報が、メモリに記憶されています。
よし
余談ですが、プログラミングをされる方は、このメモリの概念を理解しておく必要があります。なぜなら、プログラムを快適に動作させるために、メモリを効率的に使用する設計が求められるからです。
IT製品に搭載されているメモリ・ストレージ
Wii U
では、ここから、IT製品に搭載されているメモリとストレージについて少し見ていきましょう。
まずは、冒頭に登場したWii Uです。任天堂の公式サイトによると、Wii Uには32GBもしくは8GBの容量を持ったストレージが搭載されています。メモリの容量は公開されていません。
ゲームのセーブデータは、ゲーム機本体の電源が切られても永続的に残さないといけないデータですので、メモリではなくストレージに記憶されます。このセーブデータを保存する領域が32GBまたは8GBあるということです。
このストレージは、セーブデータ以外の永続的に残す必要のあるデータの記憶にも使用されるようです。そのため、厳密には32GBまたは8GBの全ての領域をセーブデータの記憶に使用できるわけではありません。
冒頭に述べたWii Uの話は、「セーブデータの記憶に使用されるストレージの容量が、メモリの容量として記載されてしまった」ということが新聞に掲載された誤りでした。
今ならこの違いを理解いただけると思います。
MacBook
次に、2020年時点でのMacBookの仕様を見てみましょう。
公式サイトによると、MacBookには256GBのストレージ、8GBのメモリが搭載されています。また、ストレージとしてSSDが使用されていることが確認できます。
このMacBookのように、多くのIT製品は、メモリよりストレージの方が多くの容量を搭載してることが一般的です。これにはいくつかの理由が考えられますが、主にメモリはストレージに比べて高価であることが挙げられます。
こちらはMac Proの購入画面です。ストレージを1TBにアップグレードするのは4万円である一方で、メモリを1.5TBにアップグレードするには、なんと250万円もの費用がかかることがわかります。
現在、メモリはストレージに比べて非常に高価であるため、ストレージ程の多くの容量は搭載されていません。
1TB=1000GBです。
1TB=1024GBと説明されている場合がありますが、それは誤りです。正しくは1TiB=1024GiBです。
メモリへの疑問
そもそもメモリって必要?
ところで、ここまでの話を聞くと、こんな疑問がふと湧いて来ませんでしょうか。それは、「そもそもメモリーって必要なの?両方とも記憶装置なんであれば、ストレージだけでメモリの役割をカバーできるんじゃないの?」という疑問です。
確かに、一時的に記憶したいデータであっても、ストレージに保存してしまえばいいような気がします。でも実際にはそうはせずに、メモリとストレージという別々のハードウェアが用意されています。それは一体何故でしょうか?
結論を先に言うと、メモリがなくても論理的にはストレージでメモリの役割をカバーできてしまいます。しかし、ストレージはメモリに比べてデータを読み書きする速度が圧倒的に遅いのです。
そのため、仮に一時的な情報も毎回ストレージに書き込んでいたとすると、それはユーザからすると、ものすごく反応が遅くて使い物にならないパソコンやスマホになってしまいます。
人間も、長期記憶として定着させるにはそれなりに時間がかかるのと同様、ITの世界でもストレージにデータを記憶するには時間がかかります。この時間がかかるという意味は、メモリと比べて相対的に時間がかかるという意味です。そのため、一時的な記憶でよいデータは速度の速いメモリへ保存されるのです。
メモリよりもさらに速くデータを読み書きすることのできる「キャッシュ」という領域が、CPUの内部に存在します。
メモリ容量が足りなくなったら?
最後にメモリ容量について触れておきます。
みなさん、沢山のソフトを立ち上げるとパソコンの動作が遅くなった経験はありませんでしょうか?この原因はいくつか考えられるのですが、一つにはメモリ不足が挙げられます。
例に挙げたように、ソフトはユーザへ機能を提供するために多くのメモリを使用します。沢山のソフトを起動してメモリが多く使用されると、メモリの空き容量がなくなってしまいます。
そしてメモリを使い切ってしまうと、容量の大きいストレージへ、メモリに記憶しているデータを一旦退避させ、メモリのフリースペースを広げる、といった処理が行われます。これをスワップアウトと呼びます。
そして、ストレージに書き出したデータが必要な状況になると、ストレージからメモリへ読み出されます。これをスワップインと呼びます。
メモリが不足していると、速度の遅いストレージへの読み書きが必要となるスワップアウト、スワップインが頻繁に発生し、結果として、パソコンの動作が遅くなってしまいます。この状況をスラッシングと呼びます。
そのため、パソコンの動作を遅くしないためには、サイズの大きなメモリを積んだ方が良いと言われるのです。
まとめ
最後に、ここまでの内容を振り返ってまとめたいと思います。
今回、メモリとストレージの違いや特徴について解説して来ました。
メモリもストレージも記憶装置でした。
を解説しました。また、
を説明しました。
ということで、今回は以上になります。
よし
「YouTube」で動画解説もしていますので、質問のある方はコメント欄へお気軽にメッセージください!
ほなね!